手指用アルコール製剤の擦り込み方

手指用のアルコール製剤がさまざまな施設の入り口で設置されています。水道と石けんがない環境でも場所を選ばずに手指を消毒できることはアルコール消毒剤の最大のメリットです。

感染対策のために積極的に使用する人も多く見かけます。手指の消毒をするのが、いちばんの感染対策になります。これからの欠かせない習慣にしたいですね。

いたるところに設置されている手指用アルコール製剤。残念なことに使用の仕方があまり適切ではない方も多くいらっしゃることも事実です。そこで、今回は手指用アルコール製剤の正しい擦り込み方を解説します。動画もありますので、確認をしてみてください。

アルコールは十分に手に取りましょう

まず、アルコールを十分に手に取ることが大切です。手指用アルコール製剤には液体のタイプとジェル状のタイプと2種類あります。液体のタイプなら一回の使用は約3mlを目安に。ポンプのノズルは下までしっかりと押してアルコールを出し切りましょう。液体なので、受ける手はしっかりと指をくっつけて液がこぼれないようにします。手ひらにくぼみを作り、「アルコールの池」を手に作るようなイメージです。

ジェルタイプであれば2プッシュは必要です。ジェルタイプはそれほど手からこぼれたりしませんので500円玉ぐらいのジェルが出ていることを目安にしましょう。

使用するアルコール製剤の種類によって、量をしっかりと手に取ることが大切です。

手指用のアルコール製剤の使用量を知ろう

擦り込みに注意する場所

擦り込みをする際に注意する場所は①指先 ②指と指の間 ③親指の周り ④手の甲です。手指消毒をする際にはこのポイントを抑えるようにします。揮発していくアルコールです。手の全体を消毒するには、十分なアルコール量が必要です。アルコール製剤の適量を守る理由がここにあります。

 

最初にアルコールを手に取り、指先に浸すように指先から擦り込みを始めます。アルコールをなるべくこぼさないように左右の手を交互に擦り込んでいきます。手にしたアルコールは全て手からなくなるまで擦り込むこと。残ったアルコールをタオルやハンカチはもちろん、ペーパーで拭き取ることも厳禁です。しっかりと乾くまで擦り込むことで正しく手指衛生ができたことになります。

歯科衛生士/第2種滅菌技士/第1種歯科感染管理者

長谷川雅代