光学印象が広まりつつありますが、アルジネート印象材を使用されているまだ医院は多いです。シリコン印象材もありますね。印象採得で欠かせないのが印象トレーです。印象用トレーにもいろんな材質のものがあります。皆さんの医院はどのような材質のものをお使いでしょうか。以前より印象用トレーの種類はいろいろありましたが、アルジネートをアルジネート溶解剤も使用しながら除去し、洗浄、そして消毒あるいは滅菌。この流れで支障がないことがほとんどでした。
樹脂コーティング印象トレー
網トレーやリムロックトレーなど金属トレーと同じ扱いにしてはいけない印象用トレーに“樹脂コーティング印象トレー”があります。樹脂コーティングトレーは“トレークリーナー“と“滅菌”が不可のようです。私もこれまでのトレーと同じ扱いでこの樹脂トレーを処理したところ、錆びるわ、溶けるわ。最初は理由がわからず驚きました。慌てて取扱い説明書を確認しました。
取扱い説明書に驚く
写真はあるメーカーに問い合わせ中の“樹種コーティング印象トレー”の取扱説明書の切り抜きです。消毒薬の制限、滅菌の禁止が記載されています。どのように再生するのが良いのか判断に迷う取扱説明書でした。
いろんなメーカーから販売されているので、調べてみました。中には滅菌可能なものもありましたが耐熱温度が低いので、乾燥温度に注意して滅菌しなくてはいけなさそうです。
メーカーからの回答
取扱説明書を確認しつつ、メーカーに問い合わせをしました。メーカーの回答によるとそもそもこの樹脂コーティング印象トレーは“再生利用は想定していない”製品だそうです。再生をして使用するのであれば、消毒はグルタラール製剤もしくは、ガス滅菌とのことです。強力なトレークリーナーでなければ使用可とのことです。
強力なトレークリーナーと、そうでないトレークリーナーの違いが私にはよく理解できませんでした。(見分け方がわからないです)再生利用を前提に使用するなら、樹脂コーティングトレーではなく、金属のものを選択してくださいとの回答でした。
再生に考慮して使用する
樹脂コーティング印象トレーを使用するのであれば、取り扱い説明書をもとに製品によってトレークリーナーの使用、滅菌温度などを考慮しながら再生するなど工夫が必要のようです。当院の場合は現在はトレークリーナー不使用で(この樹脂コーティングトレーはアルジネートがこびりつかないので剥がれやすいです)WD(ウォッシャー・ディスインフェクター)で処理をし、今のところ問題なく使用できていると思っています。しばらくこの処理で進めていきます。劣化の激しいものは廃棄し、新品に交換していくことにしました。
取扱い説明書を確認しましょう
印象用トレーに限らず、器具に錆びや劣化が認められた場合は原因を探ってみましょう。器材再生時の問題があるはずです。まずは取扱い説明書です。最近はオンラインで確認できる製品もたくさんあります。意外にも再生処理の方法が違っていたということがあります。