超音波洗浄器の水量

歯科治療に使用する器具は細かいものが多く、器材再生に超音波洗浄は欠かせません。歯科医院で超音波洗浄器をお持ちでない医院はないのではないかと思います。切削バーや根管治療用のファイルなど、細部の汚れをしっかりと除去するには超音波洗浄器は必須です。
超音波洗浄器の大きさは医院によってそれぞれです。何をどれぐらい洗浄するかで必要な大きさが変わってきますので、そこを考慮してを購入するのがいちばん良いです。

水量が大切です

これから開業に向けて、あるいは今まで使用していたものから買い替える際は必要な大きさを考えながら購入することができますが、もともと医院にある洗浄器の場合は使用目的と大きさが釣り合っていないこともあります。

皆さんがお使いの超音波洗浄器の水位。容器の内面に必要水位を示す線があるのはご存知ですか?そして、その線まできっちりと水を入れていますか?超音波洗浄器が大きいから、洗浄剤も節約できるし・・・なんて、水量を加減したりしていませんか?
この水量、かなり大切です。大切な理由は決められた水量まで水が入っていることによって正常に作動します。そのように設計されています。水量が不足した状態で使用をしていると、超音波が正常に作動しない可能性、そして機械本体の故障の原因になるそうです(メーカーに電話して聞いてみました)。

超音波洗浄器の正しい操作

日本医療機器学会の『医療現場の滅菌』の書籍。超音波洗浄器の注意事項には「洗浄対象物は必ず洗浄液中(水面下)に入れ、水面上に出ないようにする」とは記載されていますが、超音波洗浄器本体の水量線を守ることについては一切記載されていません。
臨床の現場あるあるとすれば節約も含めた発想として“器材が水面下に浸かっていれば良い”と器材の量に合わせた水量調節をしてしま痛くなりますが、超音波洗浄器本体の特徴の理解をしましょう。
① 超音波洗浄器はまず規定線までの水量を入れる
② 水を入れてから水量に合わせた洗浄剤を投入する
③ 使用時には蓋をする
これらを守りましょう。しっかりと洗浄をしたいのであれば正しく洗浄器を使用することからですね。
蓋をするのは超音波作動時にエアロゾルを空中に飛散するのを防ぐ目的があります。
院内の感染管理マニュアルを作成するときは、このような細かいところもきちんと理由と合わせて掲載するようにしてくださいね。