無水エタノールと消毒用エタノールの違いはココ!

消毒用エタノールと一緒に販売されていることが多い「無水エタノール」これは消毒用に使用できるの?何用?と思うことはないですか?どう違うの?という疑問に消毒用エタノールの違いを簡単に解説します。

アルコールの濃度が違う

エタノールは「エチルアルコール」のことです。アルコールの濃度によって、無水エタノール、エタノール、消毒用エタノールに分類されています。無水エタノールは「無水」なので、水分をほとんど含んでいない純度の高いエタノールのことです。アルコールの濃度が高いので、消毒力が高いかというとそうでもなく、すぐに蒸発してしまうので、消毒にむいていません。洗浄力は高いので、水拭きができない電化製品に使用されます。肌に直接付着すると水分を奪ってしまい、刺激が強いです。無水エタノールは精製水で薄めると消毒用エタノールになります。最初から消毒用に使用するなら、希釈されているものを購入する方が楽です。消毒用エタノールが手に入らない時は無水エタノールを希釈すると良いです。

濃度が低い消毒用エタノール

無水エタノールよりも濃度が低いですが「消毒用」として効果があるのが、「消毒用エタノール」です。消毒に効果があるので、医療施設でよく使われています。刺激が少ないので、肌にも使用できるアルコールです。手指用の消毒剤にアルコールが使用されているのはこの濃度のものです。

消毒用エタノールはその場で使用するのが鉄則

消毒効果のある「消毒用エタノール」を使いたい時にすぐに使用できるように、容器の中に布やペーパーを入れ、消毒用エタノールを染み込ませておく。ウェットティッシュのような感覚で使いたいと思うことはありませんか?これ、絶対にしてはいけないことです。アルコールの特性としてアルコールは蒸発します。アルコールは時間と共に容器の中から蒸発し、消毒用エタノールの場合、残りは水になっています。水分だけが含んだ布やペーパーは菌の増殖のもととなり、それを消毒薬の染み込んだものとして誤って使用すると消毒効果はありませんし、逆に感染を広げてしまうことになります。

消毒用エタノールは使用する直前にボトルから出すことを徹底することが大切です。また、広範囲を消毒するような場合、肌の刺激は少ないですが、目の粘膜への刺激はありますので、やはり取り扱いには注意をすることが必要です。

第2種滅菌技士/第1種歯科感染管理者/歯科衛生士

長谷川雅代